日本文の論理構造を考える
今までの知に関する記事では,一貫して論理学という考え方が背景にありました(至らないところもありますが^^;).
ただし,論理学というのは論理言語を定めてその論理構造を体系づけるという方法をとるため論理言語に依存します.
論理学 - Wikipedia
現在のところ論理言語として直接日本語を定めた体系はありませんので日本語の論理構造はつぎの2つの側面から考えることが多くなっています.
- 論理言語を日本語へ適用することによる論理構造の考察
- 日本文の研究による論理構造の考察
1.では通常の論理学の中でも特に,形式言語やエキスパートエンジンなどの分野で発展しています.
形式言語 - Wikipedia
エキスパートシステム - Wikipedia
2.では言語哲学や現代日本語文法などの分野で発展しています.
言語哲学 - Wikipedia
現代日本語文法 - Wikipedia
また,現実場面では日常的な日本文の読解にはじまり,法解釈といった専門的な部分でも日本語の論理構造を考える必要があり,日常的に応用もなされています.
本ブログの著者は専門家ではないので,研究的要素よりも応用要素よりに重きをおきます.
そこで日本文の論理構造を今までの考え方をベースにデータ・情報・知識という形での考察を行いたいと思います.
日本文をデータ・情報・知識・知識・知恵へ
まずは,日本文の構造をデータ・情報・知識・知恵へ対応させます.
データ | 情報 | 知識 | 知恵 |
---|---|---|---|
品詞 | 文 | 文章 | 読解力 |
表だけだとイメージしづらいのでイメージもどーーーん.
本ブログでは日本文の構造を上記のように定めることにします.
ここで前提の文とは,その文章内からその文の真偽が確かめられない文のことを指しています.
そして,推論の文とは前提の文をもとに著者が考えた文のことになります.
日本文における論理構造の評価
日本文の構造を定めたので,その中の論理について考えてみます.
ボトムアップの記事の中で情報の評価ということを述べました.
ここではそのアナロジーを用いて,日本文の論理構造はつぎの項目によって評価することとします.
- 文章における前提の文と推論の文を区別
- 推論の文における推論の妥当性を確認
- 前提の文の真偽を確認
ただし,3.について正確には対象の日本文の論理構造を評価する項目ではありません.
つまり,他の情報を探求しないと対象の文章を評価できないという意味でメタ評価になりますので,1と2が必須評価だと考えます.
日本文の価値
さて,少し混乱しそうですが前節で日本文の論理構造についての評価とその日本文の価値は別のものになります.
つまり論理構造の評価は高いが,そもそもその日本文が述べている内容に価値を認めれないという場合があります.
ただし,価値というものは相対的であるのでAさんには価値があるけどBさんに価値がないということはよくあります.
そこで日本文の価値というのを,日本文の分類ごとの目的達成の有無と本ブログではします.
分類 | 目的 |
---|---|
随筆 | 感想・思索・思想の表現 |
日記 | 出来事の記録 |
作文 | 情報の伝達 |
小論文 | 議論 |
社説・論説・コラム・論評といったおおくの日本文は小論文に分類できると考えられます.
小論文の価値判断方法はまた別の記事で取扱いたいと思います.
まとめ
日本文の論理構造をデータ・情報・知識・知恵によって構造化しました.
日本文の論理構造を評価する基準を定めました.
日本文の価値を判断する基準を定めました(ただし小論文の詳細について別記事へ).