ボトムアップ【データ→情報→知識→知恵】
前回の記事でデータ・情報・知識・知恵の階層構造という考え方をまとめました.
しかし前回まとめた内容は階層構造という概観のみで階層間の関係については言葉の定義のみになっていました.
そこでデータから情報へ,情報から知識へ,知識から知恵へどのように階層構造をボトムアップするのかのイメージをさらにまとめます.
データ→情報
まずはデータから情報へのイメージどーーーん.
前回の記事で情報とは意味のあるデータと定めたが,これは何らかの意思・意図によって集めたデータと考えることができます.
つまりデータから情報になる過程でデータの取捨選択がなされているわけです.
情報→知識
つぎに情報から知識へのイメージをどーーーん.
データの集まりを情報とし,データの集まりである情報全体を一次情報とします.
一次情報である情報をもとに推論したものを推論情報といい,推論情報の集まりがまた情報となります.
一次情報からの推論の回数で二次情報,三次情報とします.
ボトムアップにおいて知識とは,情報と情報の推論によってまとめられたもののことになります.
このように一定の原理によって論理的にまとめることを体系化といいます.
知識とは体系化された情報ということになるわけです.
知識→知恵
最後に同じ流れで,知識から知恵へのイメージを図にしたいのだけど知識から知恵へのボトムアップは経験によってなされます.
したがってこれは実際の行動にともなう経験,具体的には知識を使用することをトライアンドエラーしてつぎの項目を主に洗練させることで知恵とすることが多いのです.
- 知識と現実のギャップを埋めるための知識の再構成
- 知識を利用できる前提条件の把握
- 複数の知識の組み合わせの利用方法
情報の評価
世の中で我々が接するのは多くの場合,情報(特に二次以上の情報)もしくは知識です.
その二次以上の情報や知識が間違ったものであるかどうかは情報の受け取り手として重要なことです.
そこで情報の評価,つまり間違った情報について考えます.
二次以上の情報が間違うケースにはつぎの2つがあります.
- 一次情報(データ)が間違っている場合
- 情報間の推論が間違っている場合
1 はデータ取得者に依存するため,データ取得者であればデータ取得の再現性を高めること,データ取得者でなければ他のデータや情報することでしか見抜けません.
一方で,2 は推論の間違いだけをチェックすればよく,論理的な訓練を積んでいればその場で見抜くことができます.
このことは情報(特に二次以上の情報)や知識を誤解なく認識するために論理学を学ぶことは本質であるといいかえられます.
ということで何かを考えるときに間違っていないかを判定するには論理学は基礎となるという至極当たり前の結論に落ち着いたわけです.
日本の大学教育から論理学が消えているという話を聞くことがありますが,この情報化社会における大きな指針なしに判断を下すのはとても大変なことだと思います.